独身SEのすべて

システム開発の実態とか趣味とかITとかマンションポエムとか。

サービスを提供するときにまず考えるべきことを考えてみた

最近、若い企業家兼エンジニアと出会う機会がありました。
その後連絡を取っていくと、彼は技術力には自信があるものの、今考えているサービスをリリースするまでの道筋について迷っているようでした。
彼の相談に乗っているうち、自分が無意識にやっていたことを言語化できた気がするのでメモがてらに投稿。

f:id:arata32:20151207231947j:plain

ユーザーが求めているのは"機能"じゃない

彼からまず質問されたのは、「どの程度の機能を実装すればリリースにこぎつけられるのかわからない」といったものでした。
ここで違和感を覚えたのが、"機能"という単語がまず最初に出てきたことでした。
まず最初に考えるべきことは機能ではなく、もっと大きな枠組みを考えないといけない。そう思ったのですが、すぐには適切な言葉が思い浮かばず、まず最初に考えるべきことを考え始めました。

ユーザーに提供できる価値を考えてみる

具体的に実装していく機能を考えていく上で、まず「ユーザーがこのサービスを使う理由は何か」を詰めていくことが大事そうだなと考えました。
思いつく限りのあらゆる機能を詰め込んだところで、そのほとんどがユーザーに求められていない機能であるかもしれませんし、軸がはっきりしないとサービスそのものが迷走していきそうです。
じゃあまずすべきことは、ユーザーいう提供すべき主となる価値を決めていくことになりそうです。
どの価値に重きを置くかによって、実装すべき機能も制限されてきます。

日本でも高機能な日本製品が伸び悩んでいる

近年、白物家電を買おうと思った時でも、耳馴染みの深い日本企業の製品ではない、デロンギiRobotといった海外企業の製品が店頭の目立つ場所に並んでいることが多いです。
日本企業の製品は「多機能」を売りにしているものが多く、ちょっとした家電にも地獄のように大量のボタンがついてたり、不必要にネットワークに接続してみたりと、その家電のメイン機能とはかけ離れた機能が盛りだくさんになっています。
半面、デロンギなんかの製品はシンプルなツマミといくつかのボタンがあるだけといったシンプルなつくりになっており、デザインも使い勝手も洗練されている印象です。
ユーザーは掃除機やら冷蔵庫がネットワークにつながることも、TVやらHDDレコーダーに使わないボタンをちりばめることも求めてはいないのです。

サービスによって得られるユーザー体験を考える

そういったところに考えが及んだあと、まず考えるべきことは「提供するユーザー体験を考える」と思い至りました。
「ユーザー体験」なんて陳腐化した実態のない言葉は大嫌いだったのですが、いろんなことを考え抜いた上でこの言葉に触れると、言葉の指し示す意味が正確にとらえられた気がしました。
ユーザーがあるサービス、製品を使ってどんな体験がしたいのか、それが「自己顕示欲を満たす」かもしれませんし「社会貢献」かもしれません。
その軸が設定できないと、細かい機能やら仕様なんて詰めていけません。

まずやるべきことが見えた

「ユーザー体験」=「サービスが提供する価値」と結びついた気がしたので、今は冒頭の彼と一緒に、そのサービスの価値をユーザー体験目線でアイディア出しし始めたところです。
本当はブレスト的にやりたいのですが、遠方に住んでいることもあり、まずはお互いに思いつく限りのユーザー体験を列挙し、後でその一つ一つの実現性や独自性なんかを突き詰めていきたいと思います。

人に説明したり相談にのったりすることが一番の勉強になることを改めて感じました。